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賃貸経営

続・ペット飼育と賃貸住宅について

ペット飼育と賃貸住宅について、今回は犬関連のお仕事に携わっている方や実際に賃貸物件で犬を飼育している方々のお話をお伺いする機会がございました。お手持ちの物件にペット飼育の許可をされている貸主様もそうではない貸主様にも、今後の募集要件を考える際の参考までにご紹介させて頂きます。

 

  【飼育制限】

お伺いした中で、お部屋探しでこれまで又は今現在ご苦労されている点として挙げられたのが、2匹以上の多頭飼いが可能な物件と大型犬の飼育が可能な物件がとても少ないとのことでした。

(一社)ペットフード協会が2017年12月に発表した全国の犬と猫の推計飼育数によりますと、犬は892万匹で猫が953万匹とのことで、調査開始の1994年以来初めて猫が犬を上回ったそうです。犬の寿命、飼主自体の高齢化で新たな犬の飼い控えが生じていたり、猫に比べて躾けが大変だったり、散歩も必要で負担感が大きいのが一因との所見です。これは賃貸だけに限った数字ではありませんが、犬の飼育数や飼育する人が減っているものの、事情が許せば「今より犬を増やしたい」、「本当は大型犬を飼育したい」と考えている愛犬家が多くいらっしゃるそうです。

多頭飼いや大型犬の飼育には部屋数や広さが求められますが、それを含めて基本的な設備が整っていれば、借主側は立地条件や築年数などを大目に見ているそうです。例えば立地については、駅やショッピングエリアから離れた不便な場所であっても、その代わりに「犬と散歩する時間(距離)が増えて犬も人間も楽しい」という思考だそうです。

 

飼育に伴うリスクの共有

貸主側としては、多頭飼いや大型犬の飼育を許可する場合、募集対象が犬の飼育希望者に限られたり、部屋や共用部の汚損・破損、鳴声や臭い等の近隣迷惑

などのリスクも考慮しなければいけないでしょうが、飼育経験が豊富で、飼育に関して他者への影響について

の意識が高い飼主であれば、リスクの共有は可能なようです。借主側としては、せっかく飼育許可を得たのだから、永く住み続ける為、貸主や第三者に迷惑を掛けることがないよう十分配慮し、犬を飼っている人もいない人もお互いを尊重し合えるようにと意識を働かせているそうです。

リスク共有の一環として、多頭飼いや大型犬の飼育を許可する場合は、貸主指定の様式に則って、審査時に借主が飼育計画を提出するようにしてみてはとの提案がありました。取り決めておくべき内容の一例ですが以下の通りです。

・犬の大きさや犬種によってケージやサークルの大きさも詳細を定める

・犬だけを一人ぼっちにして〇時間以上留守番させてはいけない

・1日最低〇回、計〇時間以上、屋外やドックランへ連れていかなければいけない

 

ちなみに、これらはドイツで整備されている犬を保護する法律からの引用とのことで、実際に違反が続くと罰則があるようです。社会生活を営む上でかなり厳しいようにも思いましたが、逆にこのような内容を順守出来る飼主を、貸主側が選別出来るような体制作りの一助にされてはいかがでしょうか。

 

  【人(飼主)を選ぶ】

身勝手な飼主が少なくない反面、犬を人の良き伴侶や家族として、又は社会に欠かせない一員として考えている飼主も多くいらっしゃるようです。飼主の方々が強調されていたのは、何か問題が起きた時、又は起きないように対処するのは人(飼主)であって、犬ではないということでした。とりわけ多頭飼いや大型犬の飼育の許可を検討するのであれば、人(飼主)を選ぶ体制作りが重要と考えられます。

 

(著者:手塚)

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