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底地・借地権

定期借地権と活用例について

定期借地権とは、あらかじめ定めた契約期間が終了したら、借地人が地主に借りていた土地を返さなくてはならないという内容です。

 

日本にある借地権の大半は、「旧借地法」による「借地権」となっていますが、平成4年に「借地借家法」が制定され、定期借地権が創設されました。旧借地法による借地権では、期間がきても当然に土地を返してもらうことは出来ず、地主が土地を返してもらうには、「正当事由」が求められます。

 

「正当事由」があるかどうかは、地主と借地人のそれぞれが、その土地を使用しなくてはならないどんな事情を抱えているか、またその土地に関するこれまでの経緯や利用状況などを考慮して判断されます。
しかし、現実には、地主に「正当事由」があるとはなかなか認められにくく、借地人が希望する限り、
契約が更新されてしまうケースが多いのです。
しかし、定期借地権の場合、「正当事由」があるかどうかに関わらず、契約期間が終了すれば、地主は借地人から確実に土地を返してもらうことができます。

 

 

●定期借地権には3種類あります。

 

➀一般定期借地権
借地契約と同時に、契約の更新や建物の改築による借地権の存続期間の延長はしないことや、建物買取請求権を行使しないことについての特約をすることができる借地権です。この借地権を設定するには、期間は50年以上にしなければなりません。また公正証書等の書面によって契約を結ぶ必要があります。

 

※建物買取請求権
借地権の期間が満了して契約が更新されないとき、借地人が地主に対して、建てた建物などを買い取ることを請求出来る権利のこと。

 

②事業用定期借地権
事業用の建物を所有するために設定する定期借地権です。期間が30年以上50年未満のものと、10年以上30年未満のものの2種類があり、それぞれ内容が異なります。この借地権を設定するには公正証書によって契約を結ぶ必要があります。

 

③建物譲渡特約付借地権
契約から30年以上が経過した日に借地上の建物を地主に相当の対価で譲渡するという特約をする借地権です。この借地権を設定する場合、法律上は書面で契約を結ぶことは求められていませんが、後に紛争になることを防ぐため所有権移転の仮登記をするのが一般的なので、書面で契約を締結するケースがほとんどです。

 

●定期借地権の種類とその特色

 

以上、➀一般定期借地権、②事業用定期借地権、③建物譲渡特約付借地権の内容を見てきましたが、どの定期借地権を利用したらよいのか悩ましいところですが、以下が活用例となります。

 

活用例

 

➀一般定期借地権
主に戸建ての分譲住宅や分譲マンションを建てるケースが多いです。面白いところでは、中日ドラゴンズの本拠地である「ナゴヤドーム」もこの一般定期借地権が活用されています。また分譲マンションでは「シティータワー品川」が有名です。東京都が地主で、住友不動産が土地を賃借し転借地権として、分譲・販売されました。(平成10年当時)

 

②事業用定期借地権
主にガソリンスタンド、コンビニエンスストア等のロードサイド店舗や病院、老人ホーム、保養所として利用されるケースが多いです。

 

③建物譲渡特約付借地権
主に賃貸用のマンション、事務所ビル用に利用されています。

 

(著者:手塚)

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