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賃貸経営

地震などの災害時のオーナー対応

今年に入ってから毎月のように、地震や台風、豪雨などの災害が起きています。賃貸物件に被害があった時など、オーナーとしてどのように対応したらよいか?過去に頂いたご相談をもとにしたQ&Aをご紹介します。

 

 

 

 Q. 賃借人より、地震で賃貸住宅に被害があったという連絡がありました。家主として、このような時に何をすればいいのでしょうか?

 

A. (以下、耐震性能を満たしている物件であることを前提にお話しします)

その建物の損傷の程度によりますので、まずは建物の被害がどれくらいか確認する必要があります。

全壊・半壊など、とても住むことができない状態であれば賃貸借契約は当然に終了します。一般的に、これによる違約金や損害金などは双方ともに発生しません。民法や借地借家法で定められており、地震のような防ぎようのない自然災害などが発生し、それによって建物が滅失した場合には契約は終了し、賃貸借契約も効力を失うとされています。賃貸借契約書の中にも、「天災、火災の為、家屋が滅失した場合、本契約は終了する」(契約の消滅)、「当事者に帰すべきでない事由によって生じた双方の損害に対しては、その責任を負わないものとする」といった内容が記載されていることが多いです。

しかし、損壊の程度がひどくなく、修繕すれば居住可能となるのであれば、賃貸借契約は当然に終了せず、賃借人は賃料支払義務を免れることはできないことになります。(賃料減額請求の可能性はあります)

いずれにしても、震災が起きたら、賃借人の安否はどうか、建物の被害状況がどうなっているか、居室内の損害状況がどうなっているかを確認し、対応することが家主に求められます。

 

 Q. 地震により建物が損傷しました。居住できない程ではありませんが、以前から建物の老朽化が心配だったので、この機会に退去してもらえないかと思うのですが、できるでしょうか?

 

A. 建物が滅失(※)していない以上、賃貸借契約は継続します。つまり、地震が起きていない状態で解約の申し入れをすることと同じです。その場合、通常、契約満了日の半年前に家主から解約の申し入れをすることになっています。(これは賃貸借契約の内容によりますが、一般的には半年前通知と言われています) いわゆる「立ち退き」になるため、正当事由が必要になります。このケースでの家主側の正当事由は、建物の損傷の程度、建物の修繕に掛かる費用、修繕により延びる建物の耐用年数などです。これを、いわゆる立退料(借地借家法では「財産上の給付」という言葉で表されています)で補うことで、立ち退きが可能になる場合もあります。

いずれにしろ、建物の状態や家主、賃借人の諸事情などにより個別的に判断していく必要がありますので、協会にお気軽にご相談下さい。

 

(※)滅失とは

建物の損壊の程度がひどく、建物としての効用を失った状態のことで、火災で焼け落ち修復不可能な状態になったものや、地震などで倒壊したような状態をいいます。

(著者:秋葉)

 

 

 

 

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