home > 協会コラム > 賃貸経営

賃貸経営

リスクとリターンの基本原則

営は賃貸事業であり、事業であるということは収益を得る為に何かしらの投資を伴うということです。そして投資を伴うという事は、そこには様ざまなリスクも存在します。また、リスクをとるからリターンが得られるということが言えます。

投資という点では、不動産は投資に対する収益、すなわち利回りが高いと言われております。特に、預貯金の金利が、ほぼゼロの状態が続いている現在では、不動産に投資をして5%前後の利回りが得られるという事は非常に有利な投資のように見えますし、事実、投資対象としての不動産の取引は活発です。(でした。)

 

不動産に限らず、投資で注意しなければいけないポイントは、利回りばかりに着目するのではなく、まずはリスクとリターンの関係の原理原則を理解することです。

 

 

投資の世界では、リスクと、リターンは比例する関係にあります。すなわち、リスクが低ければリターンも低い、リスクが高ければリターンも高いという関係です。ここでいうリスクとは元本割れのリスクです。投資した金額の回収可能性が高いか低いかによって、得られるリターン(収入)の大小が変わってきます。銀行にお金を預けていても金利が付かない、という気持ちはよくわかりますが、元本割れのリスクのない預貯金の金利(リターン)は限りなくゼロで当然なのです。また、元本割れのリスクの高い株式投資などは、時の経済、社会情勢や、企業業績などによって、大幅に下落し、損失を被ることもあれば、大幅に上昇し、投資した金額の何倍の利益を得られることも珍しくはありません。発展途上国や政情不安国の国債の利回りが高いのも同じ理屈です。

 

不動産はどうでしょうか。もちろん、不動産の元本は保証されていません。土地については、場所や経済情勢によって上がることもあれば下がることもあります。このような特性を理解したうえで、利回り(収入)が見あっているかどうか検討する必要があります。投資の原則であるリスクとリターンの関係で考えますと、地価の上昇の可能性が高い、すなわち元本が減らなそうな地域は利回りが当然低くなりますし、地価の下落している地域は利回りが高くなるということです。銀座の不動産投資利回りが2%、地方都市の利回りが15%というのは投資元本回収可能性の観点から考えれば当然です。また、建物については減価償却資産ですので、価値が年々減少し、20年から30年でほぼゼロになるのが現状です。また、収入を維持するためにはその間の維持修繕費用という追加投資も発生しますし、20年後、30年後には建替えという再投資をしなければ収入は得られません。すなわち建物はそもそも元本保証どころか、一定期間後に価値が無くなる資産なのです。建物の視点で考えますと、当面、修繕費用の発生しない新築収益不動産の利回りは5%、修繕費用が多く発生し、建替えを検討しなければならない築20年の収益不動産の利回りは10%という大まかなイメージでしょうか。

 

以上が投資という観点から見た不動産の基本的な考え方です。この基本を踏まえて、収益不動産の客観的価値の考え方を、感覚として身に着けておくことが、自身の資産価値を把握するうえでも重要です。

(著者:不動産コンサルタント 伊藤)

ご相談窓口

まずは、お電話、お問い合せ・ご相談フォームより、お越しいただく日程を決めさせていただきます。
※東京近郊にお住まいの方は、協会事務所までお越しいただき、詳細に相談をお受けいたします。

お電話でのご連絡

  • 新宿本部

    03-3320-6281
  • 横浜オフィス

    045-620-3701

お問い合せ・ご相談フォームからのご連絡