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賃貸経営

不動産オーナーの8050問題②

不動産オーナーの8050問題を防いでいる方のご紹介の回です。

その前に少し復習。本来の8050問題とは長期的な引きこもりに関する社会問題をいいます。

しかし、ここではその本来の意味ではなく、同様の年代における不動産オーナーの親子間ギャップの問題について取り上げています。

具体的には親側の事情や子供側の事情により不動産から隔てられていたお子さんが(相続や介護をきっかけとして)突然、不動産管理(賃貸経営)の世界に放り込まれ右往左往した結果、不動産経営や不動産管理が行き詰まってしまう問題を不動産オーナーの8050問題と言っていました。

 

まずは第1歩。意識改革から。

もちろん、不動産経営や管理にマニュアルがあるわけでもなければ、親の持つ情報がテレパシーで子に伝わるものでもありませんから、誰にどのタイミングで管理を移管するのかは各々の家庭で決めなければなりません。明白なのは、経験者が未経験者の隣で伴走しながら指導するのが時間的にもコスト的にも効率的だということです。

 

◎準備→認識→参画

では具体的に上手く行っている方がどうされているのかといいますと、まずは親が情報を整理することから始められています。

第一に、不動産に限らずすべての資産・債務をリストアップした財産目録を作ります。これは、資金繰りや相続対策の優先度などを検討する上で必須の資料となります。評価額の算定が難しければ、税理士に作ってもらいましょう。

第二に、物件ごとに賃貸借情報や修繕履歴をまとめます。また、敷地の境界や私道に関することは当事者の属人的な情報になりがちですので、取り決め等があるなら記録に残しておきましょう。地積測量図や建築計画概要書、設計図面などの図面類も整理します。

また、人脈の引き継ぎも大事です。賃貸経営は仲介会社や設備会社、税理士などとパートナーシップを組んで進めていくもの。名刺ファイルでもいいですが、できることなら顔合わせもしておくのが理想的です。

 

◎できるところから参画を

これらを後継者となるお子さんと共有します。お子さんは年間を通して管理を手伝えれば、繁忙期・平時・閑散期のサイクルを一通り経験できてベストです。通して関わるのが難しければ、入居審査や退去立会い、修繕立会いなどのパーツだけでもいいでしょう。それさえも…ということであれば、相続や不動産の本を読ませる、セミナーに親子で参加する、税理士との打ち合わせに出させるなど、とにかく一部分だけでも参加させる(参加する)ことが重要です。

こうして不動産管理のソフト面(入居者に関すること)とハード面(建物・設備に関すること)の要領をつかめれば最低限の目的は達成。ただ、常に時流の研究と工夫が求められるのが賃貸経営です。入居率アップ、入居者満足度アップ、リスク(家賃滞納や入居者同士のトラブル)回避のためのアイデアを一緒に考えられるようになれば頼もしい存在です。

あとは帳簿類の整理、税務申告のレクチャーも忘れずに。間もなく年末=個人事業者の事業年度末。一緒に確定申告をやってみれば、年間の収支の感覚もつかめると思います。思い立ったが吉日、今がベストタイミングではないでしょうか?

 

 

(著者:税理士 高原)

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