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東京の未来に、私たちができること ―令和7年度 東京都の住宅政策最前線 ―(2025.07)

【7月号対談者】
東京都住宅政策本部
民間住宅部長
小町 高幹 様
東京都は2050年代に目指す東京の「ビジョン」を実現するため、2035年に向けて取り組む政策を取りまとめた「2050東京戦略」に基づき、多様な課題に向き合いながら、まちづくりを進めています。今回は、東京都住宅政策本部民間住宅部長の小町高幹氏 に最新の政策についてお話を伺いました。
1・ 災害に強いマンションで、地域の安心を支える
手塚) 令和7年度の住宅政策について、4つのテーマごとにお話を伺っていければと思います。まずは、1つ目のマンションの防災対策について教えてください。
小町) 地震大国である日本において、東京都が最重要課題の一つに位置付けているのが「災害に強い都市づくり」です。
その象徴的な取組が「東京とどまるマンション」の普及です。これは、震災時にも住民が自宅に“とどまり”、生活を続けられる性能を持った集合住宅を登録する制度になります。
阪神淡路大震災や東日本大震災の際には、建物自体が損傷を受けていなくても、停電、水の供給、エレベーター停止など、マンションでの生活が難しい事態に陥りましたので、その事態を未然に防ぐべく、分譲・賃貸マンションの所有者様にこの「東京とどまるマンション」に登録していただきたいと思っております。
手塚) 登録にあたっての要件はありますか?
小町) 主な要件は、
1.耐震性:新耐震、または旧耐震でも改修などにより耐震基準への適合が確認されたもの
、2.ハード面:停電時にエレベーターと給水ポンプを動かせる非常用電源の設置、
3.ソフト面:防災マニュアルの策定と訓練に取り組むことなど、の3点です。
耐震性を有していることを前提に、ハード対策のみ、ソフト対策のみでの登録も可能となっており、現在、9万6千戸ほどご登録いただいております。また、賃貸マンションオーナー様向けに、防災マニュアルを作るためのアドバイスや支援を行う「防災アドバイザー」の派遣も昨年度より開始しております。
続きは本誌にて…