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相続

これからの相続・遺産分割~第9回「空き家問題について」

今回は、相続・遺産分割と密接な関係を有する「空き家問題」について説明をさせて頂きます。

 

【空き家問題の概要】

皆様もニュース・新聞等の報道で「空き家問題」について目にしたことがあるかと思います。現在、人口減少の進行に伴い、全国の空き家数は約900万戸超に達し、30年前の約2倍となっており、このまま対策がなされなければ、2038年には総家屋の3軒に1軒が空き家になるとまで予想されています。

こうした現状を踏まえ、国は対策を加速させています。2015年施行の「空き家対策特別措置法(通称)」を2023年に改正して行政による対応を強化し、本連載で既にご説明した相続土地国庫帰属制度、相続登記の義務化という制度等とともに、所有者不明土地や空き家問題の解決に向けて対応しています。

 

 

 

【改正空家法の概要】

2015年施行の空家法においては、1年以上使用実績がない建築物のうち、著しい保安上の危険を引き起こすなどのおそれがあるものが「特定空家等」と位置づけられました。

そのうえで、市区町村の長に対して、特定空家等の所有者等に対する助言・指導、勧告、命令権限を与え、命令不履行時には行政代執行により除却を可能とし、一定の成果をあげています。

しかし、課題も認識されるようになり、その最大のものは、時間が経過すれば特定空家等に認定される可能性が高い「特定空家等予備軍」への対応です。

そこで、2023年の改正空家法では、このような空き家を「管理不全空家等」とし、市町村長はその所有者等に対して指導及び勧告ができることとなり、「特定空家等」の増加を防ごうとしています。

また、除却の機動性を高めるために、「特定空家等」の除却に際し、一定要件を充たせば命令を省略して除却ができるようになりました。

さらに、「空家等管理活用支援法人」という制度が創設されました。これは、今後、空き家に関する行政相談の急増や行政権限の行使について、市町村のみで対応することが困難であることが予想されることから、これらの業務をアウトソーシングする「受け皿」として想定されています。

 

【空き家解消に向けての司法書士の役割】

空き家の取得原因としては、相続が半数以上を占めることからすると、我々司法書士は相続登記等について最初に空き家取得者から相談を受ける機会が多くなることが予想されます。そのため、相続登記の申請の際、空き家となった初期の段階で空家等所有者等・土地所有者等の責務、空き家施策「仕舞う」「活かす」の理解を得ること、また、被相続人の居住用財産(空き家)売却の特例税制制度などの情報提供をおこないます。

そして、空き家の所有者に適正管理を求めるために最初に行うことは所有者の特定であり、そのためには、早期の相続登記を促す必要があります。まさに、このために相続登記が義務化されたのですから、我々司法書士が自治体と連携したセミナー・相談会を開催したり、自治体との協働を含めた広報活動、自治体に設置が進んでいる「おくやみコーナー」における相続登記促進を引き続き展開する必要があると思います。

また、所有者が認知症のため高齢者施設に入居したが、所有する建物が老朽化している場合等は、後見制度を活用し、後見人等に就任した司法書士が土地・建物を売却することで、間接的に空き家の発生を防ぐことができます。

さらに、相続が発生したが、相続人全員が相続放棄をしたため、被相続人名義の自宅が荒れ果ててしまっているような場合は、司法書士が相続財産管理人選任の申立書を作成したり、事案によっては相続財産管理人等に就任することで、適切な解決を図ることが期待されています。

 

(著者:司法書士 大谷)

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