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相続

次の世代につなぐ資産承継の知恵~第1回「まずはご自身の希望から考えてみる」

本年度は、標記のテーマに沿ってお話しします。その中で、資産承継についての司法書士の役割や他士業との連携についてなど、具体的なイメージを想起して頂けるよう進めていきますので、宜しくお願いします。

 

【まずはご自身がどうしたいのか考えてみる~「遺言書」の作成】

 「資産の承継」というと、まず思い浮かぶのが「遺言」ではないでしょうか。「遺言」とは亡くなった方(被相続人)が生前に、亡くなった時点で、「どの相続財産を誰に、どのような形で、どれだけ渡すか」という意思表示をするもので、その内容を書面に残すことが要求されています。また、遺言の作成には、一定程度の判断能力が必要となるため(遺言能力)、遺言作成時に遺言能力の有無に疑義が生じるおそれがあるときは、事前に診断書を取り付けたり、公正証書遺言を作成するなどの対応が必要となる場合があります。

 

 

 

 

なお、「遺言」も財産処分の一つの形である以上、公序良俗に反するといった事情がない限り、遺言者がその意思に従って、自由に処分できることが原則です。しかし、一方で、一定の範囲の相続人については、相続財産の取得についての期待(自分は相続人なのだから、ある程度は相続財産を取得できるだろう)があることも確かで、その期待も一定程度保護する必要があると民法は考えています。その期待権を民法は「遺留分」として規定し、「遺留分」を侵害する遺贈等があった場合、侵害された相続人はその侵害額を請求することができます。

 

このように、「遺言」といっても、遺言者が自分の意思のみに従って作成すれば良いというものではなく、「次の世代につなぐ」という観点からは、「遺留分」にも配慮した「遺言」を作成することが求められます。

そのためには、遺言書の作成段階から、弁護士・司法書士・税理士といった専門職に相談し、そのアドバイスを受けながら作成を進めていくことが必要だと考えます。

また、「遺言」の内容を実現する役割を担う「遺言執行者」についても、「遺言」で指定し、場合によっては、上記各専門職に執行者となってもらうことも有益です。

なお、遺言書の形式については、個人的には公正証書遺言をお勧めします。特に、資産の種類・内容が多岐にわたる場合等は、公正証書遺言が相応しいと思います。実際に、私も公正証書遺言の作成をサポートした際、作成後、「公正証書にして良かった。」という感想を頂くことが多いです。やはり、公証人が関与した厳格な形式での遺言書ということで、重みを感じるのだろうと思います。

 

【「遺言」でカバーできない部分をどうするか】

次回は、「自分が認知症等になって、家族に迷惑をかけたくない」と思ったときの対処法についてお話しします。

 

(著者:司法書士 大谷)

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