不動産の売却を検討するときに気になるのは、やはり売れる価格です。

前回は周辺事例や公的価格から概ねの相場、売却予想価格をつかむ基本的な考え方についてお話いたしました。

今回はもう少し掘り下げて、少しでも高く売るにはどのようにすべきかについてお話したいと思います。

 

 

 

不動産を少しでも高く売るための基本は、高く買ってくれそうな人を見つけることです。

当然至極のことですが、では、その不動産を高く買ってくれる人はどのような人、どこにいる人なのでしょうか。

どんな不動産にも共通して言える、その不動産を一番高く買ってくれる人は、その不動産を一番必要とする人です。

その不動産を一番必要とする人が、その不動産の価値を誰よりも理解し、誰よりも高く購入するのです。

 

では、その不動産を一番必要とする人は誰なのでしょうか。

明らかなのは、その不動産を購入することによって自身の不動産の価値が上昇する人です。

例えば、隣り合った敷地の所有者などのケースを考えてみましょう。隣の土地は借金してでも買え、と言われるように、隣の土地は隣人にとって唯一無二の不動産です。自身の土地が、間口が狭い、旗竿状である、地型が悪い、ましてや道路に接していないなどの場合は、その土地を購入することによって価値が上がるのは確実ですので、ある程度の金額を払ってでも購入するでしょうし、また、何としても購入すべきですね。そこまで不良な土地でなくても、将来の子供家族のため、また、実家の親御さんのためなどの理由で隣地を購入する人は多いのが実態です。

 

また、貸宅地(底地)や共有持分の場合は、前述した不動産の価値上昇の効果がより顕著です。

借地人は、底地を購入することによって完全な所有権となるため資産価値が上昇しますし、地代をはじめ、更新料、建替え承諾料などの支払いをする必要がなくなります。何より、地主との人間関係が解消されることによって心理的ストレスから解放される効果は大きいといえます。

このようなことから借地人は機会があれば土地を購入したいと常に考えています。

 

共有持ち分についても同じようなことが言えます。

共有持ち分を必要とする、購入することによって価値が上がるのは他の共有者です。貸宅地(底地)や共有持ち分の買取りを専業にしている不動産業者がありますが、彼らは、この原理原則に基づき、底地や共有持ち分を購入し、一番、その不動産を必要とし、価値を理解している借地人や他の共有者に売却するのです。ただし、資力の問題などで皆が皆、貸宅地や共有持ち分を購入してくれるわけではありませんので、そのリスクも考慮して、不動産業者が購入する価格は必然的に低くなります。

それなりの事情がある場合は、専門業者に購入してもらうこともやむを得ないでしょうが、まずは直接お話をされることが価値を最大限に実現するポイントです。

 

このように、あなたの不動産を最も高く購入してくれる人は、案外、皆様のすぐ近くにいるものです。

そんな時のために隣近所とは仲良くしておきたいものですね。

 

(著者:不動産コンサルタント 伊藤)