令和9年分の所得税から、ミニマムタックスの対象が大きく広がります。

土地の売却や相続など、地主・家主の皆さんにも影響する可能性がある今回の税制改正について、フジ相続税理士法人の税理士・髙原誠先生に、制度の概要や注意しておきたいポイントを伺いました。

 

【ミニマムタックスとは? なぜ税制が見直されたのか】

 

手塚)
令和8年度税制改正では富裕層への課税強化が大きなテーマとなっています。その中でも地主・家主の皆さんに関係する「ミニマムタックス」とは、どのような制度なのでしょうか。

 

髙原)
ミニマムタックスは令和5年に創設された制度で、すべての所得を合算し、税額を再計算します。これが令和9年分の所得税から大きく見直されます。 従来は基準所得金額から3億3,000万円を差し引き、その金額に22.5%を掛け所得税額を算出し、従来の計算で算出した税額との差額を追加で課税する仕組みでした。ただ、これでは実際には所得が10億円程度ないと影響が出にくく、「1億円の壁」の解消には不十分でした。

そこで今回の改正では、控除額を1億6,500万円へ引き下げ、税率も30%へ引き上げます。改正後は、所得5~6億円程度から影響が生じるといわれています。

 

手塚)
なぜ、このような見直しが行われたのでしょうか。

 

髙原)
理由は、分離課税との税率の差です。