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ご相談事例

賃貸経営

テナントへの賃料を値上げしたい

  • 六本木に所在するマンション1室を保有しており、約20年前から賃貸しています。 賃貸部分は、1階の店舗部分で、規模は約20坪、50万円で貸していますが、賃料の値上げをしたいです。どのように対応すればいいですか?

【ご提案・解決法】

賃料の値上げについては、近隣賃料の相場が上昇している、固定資産税等の負担が増えている等の「理由」が必要になります。当該理由の根拠を賃借人に提示した上で、賃料増額交渉をテナントと実施していくことになります。

 

 

 

賃料増額について、テナントが応じてくれれば問題解決になりますが、応じてくれない場合にはオーナー側から「賃料増額訴訟」という裁判手続きが必要になります。

裁判手続きには、当たり前ですが、弁護士費用等もかかりますので、その「費用」と実際に増額できる賃料がどの程度なのかという「効果」を相互に検証・算出して、「効果」が「費用」よりも高い場合には、訴訟を検討し、逆に「費用」が「効果」よりも低ければ、訴訟をしないことになる旨アドバイスしました。

20年前から賃貸していることになるので、現在の適正な賃料は「継続賃料(※)」となり、当該継続賃料は、近隣賃料相場と比較して、低くなることが多いので、「効果」の部分の算定については、慎重に検討する必要があります。

 

(※)継続賃料

不動産鑑定評価に出てくる言葉で、「賃貸借等の契約が継続している中での特定の当事者間、貸主と借主の間で、成立するであろう(適正妥当な)賃料」となります。

わかりにくいので、例示すると、20年前から賃貸している現在の賃料が40万円(坪20,000円)とします。

仮に、その部分が空室になって、新規に賃貸する場合を想定すると、賃料相場は50万円(坪25,000円)に上がっているとします。

その場合、現行賃料40万円と仮に新規に貸した場合を想定した賃料である50万円と比較して、単純に10万円の開きがあることになりますが、その貸主と借主との間では、10万円の開きではなく、その貸主と借主との間では、例えば45万円が継続賃料として適正であるとされるのです。

継続賃料は、不動産鑑定士が継続賃料を求める手法を駆使して、算定することになります。