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不動産売買

「改正マンション建て替え円滑化法」(老朽化マンションの建て替えについて)

築40年を超えるマンションが増加している中、建て替えをしやすくするため、今年6月に「改正マンション建て替え円滑化法」が成立しました。今回はその内容についてご説明します。

 

国土交通省のデータによると、築40年を超えるマンションは2018年時点で81.4万戸だったが、20年後には約4.5倍の366.8万戸に達すると見込まれています。老朽化したマンションは建て替えが必要になりますが、簡単ではなく、築年数が古くなるほど住民も高齢化しているケースが多くなります。

 

※出典:国土交通省

 

実際に建て替えをするには二度の引っ越しが必要になり、工事期間中の仮住まいの用意も負担になります。そのため、高齢者の中にはこのまま住み続けたいという意見もあり、それにより区分所有者の合意形成が難しく、マンションの建て替えが実現しないケースが増えいています。

 

そこで老朽化したマンションの建て替えを促進するために今年6月に「改正マンション建て替え円滑化法」が成立しました。

ポイントは「要除却認定」の対象が拡大したことです。

 

 

 

要除却認定とは、2014年度に制定されたもので、これまでは老朽化したマンションの敷地を売却するには区分所有者全員の承諾が必要でした。しかし、全員の合意は困難なため、耐震性に問題のあるマンションに限っては、解体(除却)が必要であると認定され、5分の4の合意があれば売却が可能になりました。また、建て替え時には容積率の緩和も特例としてある、そうした内容になります。

 

しかし、今後は耐震性に問題のないマンションでも老朽化が進んでいきます。

改正法では、外壁が剥がれ落ちて周辺に危害を生ずる恐れがある場合なども「要除却認定」の対象となりました。これにより、合意形成の条件が緩和されるため、建て替えや敷地売却がしやすくなる可能性が出てきます。

 

もう一つ、敷地内に建物が複数建っている団地に関して、「団地における敷地分割制度」が新設されました。この制度では、「要除却認定」を受けた建物を含む団地では、敷地共有者の5分の4以上の同意があれば、団地内の敷地を分割することが出来ます。これにより、団地内の一部の敷地を売却したり、一部の建物のみを建て替えることができるようになります。

 

改正法は2年以内に施行される予定です。

これまではマンション所有者の方で建て替えをしたいと思っていても、所有者全員の合意が必要なため、建て替えが難しいと感じている方も多かったと思います。しかし、法改正により合意形成がしやすくなる分、今後は大規模修繕、建て替え、敷地売却など、よりよい手段を考え、活用していっても良いかもしれません。

 

(著者:手塚)

 

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