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賃貸経営

コロナ禍の不動産経営(今こそ財産のメンテナンスを!)

◎賃貸オーナーの生の声

なかなか収束の兆しが見えないコロナウイルス。コロナ禍に向き合う賃貸オーナーさんのおっしゃることは、程度の差はあれ概ね共通しています。私どものお客様の声です。

・「賃借人からの賃料交渉がいつ来るかとハラハラしている毎日」(居住系賃貸オーナー/相続未発生)

・「借主から半年間の賃料を半分にしてくれないかと申し出があった。出て行かれても困るからとりあえず3か月だけ応じた」(事業系賃貸オーナー/相続未発生※諸々の支援制度ができる前の話です)

・「相続が起こって、(納税のために)土地を売却したくてもコロナのせいでできない。税務署から救いの手はないものか?」(居住系賃貸オーナー/相続手続中)

 

 

 

◎相続税路線価を補正するという話も

現時点での税制上のコロナ禍への対応は、個人に関する主要なものは「申告期限の延長」と「納税猶予」の二本柱で、抜本的な対策とはいえません。

相続税では、地価が大幅に下落した地域を対象に、相続税路線価(1月1日時点のコロナの影響を受ける前の価額)に一定の補正率を入れて評価額を下げる措置の導入を国税庁が検討しています。

台風19号や東日本大震災のときのように、自然災害を原因として土地評価額を減額補正したことは過去にありましたが、目に見えない影響に対しての補正は異例の対応でしょう。

相続税評価額が減額される、では固定資産税は?というのがオーナー共通で気になるところだと思います。

こちらは事業収入が一定額減少した中小事業者等を対象に、固定資産税を減免する措置(2021年度分)や納税を猶予する措置(2020年度分)がスタートしていますが、それ以外の取り組みに関する発表は今のところありません。

 

◎コロナに関わらず到来するもの

国税庁が路線価を修正するということは、コロナの影響がそれだけ不動産取引に出ている事実を国が認めていることにほかなりません。

早い話が、価格を下げないと売りたくても売れない可能性が高いということです。

さらに、コロナに関わらず近いうちに到来するものがあります。2022年の生産緑地の解除です。

ただでさえ不動産価格が下げ基調のところに、大量の土地が市場に出るかもしれないとなると、どう影響してくるかわかりません。2022年はまだ少し先ですが、コロナ収束の目途も立たない今、改めて所有財産のポテンシャル(潜在能力)の把握と危機管理の必要性を感じます。

 

◎今こそ財産のメンテナンスを

最近、保険の契約者貸付(解約返戻金を担保にした保険会社からの融資)が急増しているそうです。

資金繰り難に直面した中小企業からの申し込みが増えたことが原因のようですが、賃貸オーナーさんも他人ごとではありません。時価の低下により不動産の担保価値が下がったとき、金融機関は冷たいかもしれず、担保価値が十分あったとしても、融資希望者が殺到すればすぐに融資が下りないという事態もあり得ます。

例えば、コロナ禍でダメージを受けやすい事業系賃貸で大規模修繕が必要になったときなど、いざというときの資金繰り手段は複数用意されているでしょうか。

先述した保険の契約者貸付のほか、小規模企業共済や経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)からの貸付や解約も選択肢となり得ます。今一度ご自身の財産に加えて、加入している保険などのセーフティネットもメンテナンスして、この災禍を無事に乗り切りましょう。

 

(著者:税理士 高原)

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