ハウスメーカーの商品(構造体)を理解する➀(木質系編)
読者の皆様、こんにちは。
今回は、土地活用の際に様々なハウスメーカーや建築会社を検討する大家さんの為に、ハウスメーカー・建築会社の商品(構造体)についてご説明したいと思います。
今月は、木質系についてご説明します。鉄骨系は来月解説します。
実は、大手ハウスメーカーさんにも得意分野とそうではない分野があります。
主にそれは、構造体の特性がもたらすものです。展示場・イベント・資料請求・ネット等の機会を利用してハウスメーカー・建築会社選びをしようとしますと、押しの強い営業マンの会社に建築を注文することになり、後で後悔することがあります。
典型的な例がL社さんです。L社さんは、サブリースを武器に経営のリスクを小さく感じるように地主さんを説得し、需要が無いところでも建築を勧めてきました。更に、構造に欠陥がみつかり大家さんとの裁判沙汰になっています。建築の基本性能は構造体です。柱や壁・床以外は全て取り換えることが出来ます。
ハウスメーカーや建築会社を選ぶときは、事前にご相談ください。
私がどの建築会社をお勧めすればお客様に満足いただける提案ができるか考えるポイントの1つが、構造体です。
他にも、実績・商品特性・耐震性・断熱性・機密性・会社の存続性・災害対応力・保証メンテナンス・間取りの特長・営業スタッフの人柄等も考慮して、3~4社の検討をお勧めしています。
木質系の特徴は、敷地対応力やきめ細かな対応ができる点や、鉄骨系より価格を抑えやすいという点があげられます。
3階建までの建築では是非検討をお勧めします。木材は、腐ったり白蟻被害に遭いやすいと言われていますので、対策がきちんと取られている木材を使っている会社を選ぶことが大切です。
構造体で一番多く取り扱われているのが木造軸組み構造です。
いわゆる大工さんや工務店さんが昔から建てている工法で在来工法とも呼ばれています。柱と梁で骨組みをつくり、筋交いで補強します。間取りの自由度が高いのが特徴です。開口部が大きくとれ、増改築にも対応しやすいです。財閥系で木造軸組みを主力としている会社等、大手ハウスメーカーが複数採用しています。ほとんどの工務店が同じ木造軸組構造ですので、特に信頼できる会社をお勧めしています。耐震性能やメンテナンスなどの話しを良く聞いてみてください。アパートが得意な工務店や、戸建て貸家専門建設会社もありますのでご相談ください。
木造では、他にツーバイフォー構造と木質パネル構造があります。この2つの工法は、柱では無く壁で家を支える作り方です。
ツーバイフォーとは、北米で発展・普及してきた工法で断面寸法が2インチ×4インチの基本材で枠組みをつくり構造用合板を貼ってパネル化したものです。壁や床などの面で家を支えますので断熱性・機密性が高く、強風や地震にも強い工法です。この工法をメインに扱っている財閥系の会社は首都圏で人気があります。基本材を2×6インチに太くしたツーバイシックスを展開しているハウスメーカーもありますので、比較してみては如何でしょうか?
木質パネル工法は、ツーバイフォーと同様に体力壁で建物を支える工法です。工場でパネルを作りますので、施工ムラがなく品質が安定しやすいと言われています。1階と2階の間に収納スペースを作ることができますので、収納が多く取れますし、収納スペースを挟みますので2階の音が1階に伝わりにくく、上下階の音の問題が発生しないと言われています。。南極基地の居住棟を木質パネル工法で建築しているハウスメーカーがあり、耐震性・断熱性・機密性が優れていることが実証されています。
次回は、中高層に強い鉄骨系の解説をしたいと思います。
以上
(著者:協会顧問 山本)