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賃貸経営

価格転嫁と賃貸経営

最近の新聞やニュースでは、毎月初めの「今月の主な値上げ商品」と称する特集が恒例になり、いつの間にか商品の値上げにも耐性ができてきたように感じます。

円高やら戦争やらの影響による原材料、エネルギー価格の上昇に、人手不足による人件費の上昇などが主な原因ですが、コストが上がれば商品価格、サービス価格もそれに合わせて値上げすることは企業活動とすれば当然のことだと思いますし、利益を削ってまで我慢して経営しなくても適正利潤は得るべきだと思います。その利潤が賃金に反映され、消費にまわれば経済は好循環となり、値上げもさほど気にならなくなることでしょう。

 

 

さて、賃貸経営においても前述の原材料費や人件費の上昇により建築費が年々上昇していることに加えて、管理に要する光熱費などの実費や点検、検査費用などの運営コストも上昇してきております。

更に都市部では、これらのコストに加えて、毎年支払う固定資産税、都市計画税が上昇しております。

固定資産税は3年に一度、評価を見直し、その評価に応じて税金が計算されますが、評価は土地の価格に連動しているため、土地の価格が上がれば評価も固定資産税額も上がります。ここ数年、都市部の地価上昇のニュースが多く聞かれるように、直近の固定資産税評価の見直しがなされた令和3年も都市部の多くは固定資産税評価額が上昇しました。固定資産税は、評価が上がっても固定資産税負担が急に上昇せず、毎年少しずつ上昇するような調整措置が取られますが、今回はコロナ禍の影響により、令和2年から、評価替えの行われた令和3年は調整措置がされなかったため、本来は評価に連動して上昇すべき固定資産税が特例的に据え置かれることとなりました。その反動もあってか、令和4年、令和5年の固定資産税の上昇は大きな負担になっています。

 

さて、値上げの話に戻りますが、賃貸経営における建築費用はじめ管理費や固定資産税などの運営費用の上昇分を吸収するには賃料を上げるよりほかありません。

経済活動も活発になってきているとはいえ、賃料の値上げは個別性が高く、相手があるので一方的に変えられるものでもありません。とはいいながらもこのように固定資産税の上昇している都市部では少しでも賃料の値上げをお願いすることが必要な時期にきているようです。特に賃貸建物の場合は、直近の更新や再契約などの賃料見直し時期を逃すと、次は2年後、3年後となってしまいますし、仮に値上げに応じてもらえたとしても、物件に付加価値をつけた上での値上げでもありませんし、コストの上昇割合と同じだけ上げられるとは限りません。

そんな中でもコロナ禍で賃料の減免や猶予に応じたオーナーは、事情を説明すれば比較的相談に応じてもらえる可能性も高いのではないでしょうか。

いずれにしても賃料の値上げは、牛丼の値上げと違ってなかなかエネルギーのいる仕事ですね。

 

(著者:不動産コンサルタント 伊藤)

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