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税金コラム 第2回_ 見落としがちな経費と修繕費の賢い計上術

前回は不動産所得の基本と青色申告のメリットについてお話ししました。

第2回となる今回は、皆さまの手取りを増やすために最も重要なテーマの一つ、「必要経費」について深掘りします。特に、見落としがちな経費の具体例と、判断に迷いやすい修繕費の計上ルールについて解説します。

 

 

 

 

1.見落とされていませんか?計上すべき経費の具体例

不動産経営で計上できる経費は、賃貸物件そのものにかかる費用だけではありません。大家さん自身の「事業活動」にかかる費用も幅広く含まれます。申告漏れがないか、以下の項目をチェックしてみてください。

 

 

その他の注目すべき経費

修繕積立共済(共済掛金)の特例的な経費計上

 

一般的な賃貸住宅の修繕積立金(分譲マンション等で管理組合に支払っているものは除く)は、実際に修繕工事に使われた時点で初めて経費になりますが、大家さんが任意で加入する修繕積立共済(共済掛金)は、経費の取り扱いが異なります。修繕積立共済への掛金は、その共済の目的が事業用の資産の修繕に充てることであると認められれば、支払った年度に全額を経費として計上することが可能です。これにより、将来の修繕に備えつつ、資金を積み立てた時点で節税効果(経費計上)を得られるという大きなメリットがあります。

この共済については、前号(No.412)の和楽に取り上げられておりますので、改めて確認してみてはいかがでしょうか。

これらの経費を漏れなく記録し、適切な割合で家事関連費を按分することで、課税対象となる所得を合法的に減らすことができます。

 

2.節税効果大!「修繕費」と「資本的支出」の賢い区別

物件の維持・管理にかかる費用で最も判断に迷うのが、修繕費資本的支出の区別です。これらは会計上の扱いが全く異なり、納税額に大きな影響を与えます。

  • 修繕費: 建物の原状回復や維持管理のための費用です。支出した年の全額を一度に経費として計上できるため、その年の節税効果が早く出ます。
  • 具体例:破損した壁紙の張り替え、屋上や外壁の雨漏り箇所の修理、タイルのひび割れ補修、劣化した給湯器の交換(同性能のもの)

 

  • 資本的支出: 資産の価値を高める、または耐久性を増すための大規模な支出です。資産に計上され、数年~数十年にわたって減価償却によって少しずつ経費にしていきます。即効性はありませんが、長期的な節税につながります。
  • 具体例:間取り変更を伴うリノベーション、外壁塗装を耐用年数を大幅に延ばすグレードアップ塗料に変更、バリアフリー化工事、最新で高性能なシステムキッチンへの交換

 

💡判断に困ったときのルール

支出が修繕費と資本的支出のどちらに当たるか判断に迷う場合、以下のルールによって修繕費として一括で経費にできます。

  • 少額および周期の短い費用
  • 20万円未満の支出:少額の修繕費として扱えます。
  • おおむね3年以内周期で行われる修繕

:短い周期で行うものは修繕費として扱えます。

  • 形式基準による修繕費の判定
  • 60万円未満、または取得価額の10%相当額以下の支出:いずれか少ない方の金額未満の支出は修繕費として扱えます。

 

【ご注意】

上記の形式基準は、修繕費か資本的支出か判断に迷う場合に適用されます。明らかに資産の価値を高めるもの(例:間取り変更など)は、この形式基準にかかわらず資本的支出として扱われます。

大規模な工事を行う際は、これらの基準を考慮し、修繕費として計上できる部分がないか、事前に税理士に相談することをお勧めします。

適切な経費計上と修繕費の判断は、キャッシュフローを守る上で非常に重要です。領収書や記録を整理し、賢い不動産経営を目指しましょう。

 

(著者:吉田信一郎税理士事務所 職員 杉谷)

 

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