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和楽(会報誌)

「和楽」はオーナー様向けに毎月発行している会報誌です。
今年で29年目を迎え、賃貸経営に関する専門家の解説や、行政ニュース、セミナー開催情報など、お役に立つ情報を掲載しております。
東京都、神奈川県などの各市町村をはじめ、首都圏主要都市の行政担当部署にも配布させて頂いております。

令和6年度 国土交通省 住宅政策(2024.01)

【1月号対談者】

国土交通省

住宅局 参事官

下村 哲也様

今年度の住宅政策について、国土交通省 住宅局 参事官 下村哲也 様に伺います。

賃貸住宅の計画修繕のガイドブックやセルフチェックシート、修繕費の確保のための共済制度など、是非ご活用頂きたい内容です。2・3面の補足資料もあわせてご覧下さい。

 

手塚) 毎年新年号では国土交通省さんに住宅政策を伺っています。今年度は内容が多いため、下村参事官にご説明頂く形で伺います。

 

下村) 良質な民間賃貸住宅ストックの形成と、民間賃貸住宅における入退去の円滑化、この2つを国の民間賃貸住宅政策の大きな柱と考えております。以下、ご説明いたします。

 

【1.良質な民間賃貸住宅ストックの形成】

〈 計画修繕の必要性 〉

下村)  築年別の貸家戸数の将来推計(本紙3面・補足資料参照)では、築30年超の貸家は2022年末で1434万戸に対し、15年後には1808万戸(+374万戸、+26%)に増加する見込みです。築40年超の貸家は、15年後に1374万戸(+590万戸、+75%)、築50年超の貸家は830万戸(+378万戸、+84%)に増加することが分かり、築年数の古い建物ほど、増加のペースが大きい傾向が分かります。民間賃貸住宅の腐朽・破損の状況を見ると、木造の民間貸家の割合が高く、特に、築20年目以降で急激に高くなる傾向があります。これらの老朽化した建物は、修繕を行わずに放置すると、外観の劣化などにより競争力が低下するため、計画修繕による住宅性能の維持が、高い入居率や家賃水準の確保につながると考えております。そして、計画修繕は、予防的に修繕を行うこと、計画的に資金を準備しておくことがポイントです。

平成28年度の調査では、計画修繕を実施した家主様は21%だったのに対し、令和4年度では37%に上がっていたものの、「実施していない・分からない」と答えた方が半数程度で、引き続き計画修繕の必要性を訴えていきたいと思います。また、計画修繕の前提となる「長期修繕計画」を作成している家主様は、23%から41%と、かなり増加しています。作成していると回答された家主様のうち、実際に修繕を実施した方が92.5%いらっしゃるので、まずは計画を作成して頂くことが重要だと考えております。

 

 

 

続きは本誌にて…

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