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収益性とやりがいの両立 ─ 「民泊」で広がる不動産活用の可能性 前編(2025.08)

【8月号対談者】
株式会社 エイゼン
代表取締役社長
片桐拓弥様
築古の借地権付き建物を買い取り、「民泊」というかたちで再生した会員の片桐様。今月号、来月号の2回にわたって、民泊運営の経緯や実際の運用について伺いました。
建てる・貸すにとどまらない、不動産活用の新たな選択肢として注目される「民泊」。 初挑戦で得た気づきと手応えを、収支やトラブル対応も含めてお話しいただきます。
手塚) 当協会とは約20年前からのお付き合いですが、毎回ユニークな土地活用を独自に展開されていらっしゃるので詳しくお伺いしたいと思っております。まずは、保有されている不動産の活用事例を教えてください。
片桐) 祖父から引き継いだ不動産の活用がメインで、場所は墨田区、世田谷区が中心です。
一般的な共同住宅、貸地、時間貸駐車場のほか、面白い活用ですと、「相撲部屋とシェアハウス、賃貸マンションが一体化した6階建ての『クリエイティブハウス文花』」、「コインランドリー」、「認知症グループホーム」、「フィットネスクラブ筋二郎」をやっております。
手塚) 筋二郎はユニークな名前ですが、片桐様が独自で運営されているフィットネスクラブですか?
片桐) そうです。24時間自由にトレーニング機材を利用できます。保有しているマンションの入居者に対し「筋二郎」が無料で利用できる特典も付けています。
手塚) 差別化も図れて一石二鳥ですね。今回の有効活用は「民泊」ですが、その民泊を運営することになった経緯を教えてください。
片桐) 保有している貸地の借地人さんから、ある不動産会社経由で「借地権付建物を買い取って欲しい」と連絡がありました。そこで、日本地主家主協会にお願いして、先方と交渉をしてもらい、条件がまとまったので、購入に至りました。
当該借地権付き建物は、結構築年数が経っていまして、50年弱ほど。1階を自宅として借地権者が使用、2階は外階段で1戸賃貸されていました(購入時は退去済み)。
続きは本誌にて…