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約20年ぶりの大改正—区分所有法とマンション建替円滑化法、その核心に迫る(2026.01)
【1-2月号対談者】
国土交通省住宅参事官
(マンション・賃貸住宅担当)
杉田 雅嗣様
2025年5月、「区分所有法」と「マンション建替円滑化法」等が改正され、「区分所有法」は約20年ぶりの改正となりました。老朽化マンションの再生と合意形成の円滑化を目的に、所在等不明区分所有者の決議の母数からの除外、共用部変更や規約改正の多数決要件の見直し、建替え・売却の要件緩和などが盛り込まれています。また、建替え決議後に賃貸借を6か月で終了できる新制度も創設されました。今回はその背景と要点について、国土交通省住宅局の杉田雅嗣参事官に伺いました。
◆改正の背景 ——マンションを取り巻く危機
手塚)
改正に至った背景や必要性について教えていただけますか。
杉田)
今回の改正には、マンションの「建物の老朽化」と「居住者の高齢化」という、いわば“二つの老い”が深刻化している事情があります。 築40年以上のマンションは現在148万戸ですが、10年後には293万戸、20年後には483万戸と約3.3倍に増加する見込みです。さらに、築40年以上では世帯主の55%が70代で、建物と住民の双方が高齢化している実態が明らかになっています。
管理面でも課題は大きく、長期修繕計画があっても積立金不足のマンションは約4割、計画の見直しが5年ごとに行われていないマンションも約4割にのぼります。修繕工事は資材高騰で費用が膨らみ、積立金の増額すら合意形成が難しい状況です。建替えとなると、容積率の余裕が減っていることに加え、近年は建設費高騰で1世帯あたりの負担額が平均1,941万円と、事業のハードルが一段と上がっています。
また高齢化が進むと、年金収入世帯が増えて負担金への合意が得にくくなるほか、管理組合の役員の担い手不足も深刻です。
こうした状況を踏まえ、国としてマンションの一生涯を見通し、管理と再生の両面を円滑にするために今回の法改正を行ったというのが背景です。
続きは本誌にて…


